自然解凍食品は、保冷剤替りにならない?!
市販の冷凍食品の中には、自然解凍で食べる事ができるものがあります。
朝、お弁当に入れて、昼食べる頃には解凍されている優れものです。
しかし残念ながら「自然解凍食品を入れたから保冷剤はなくても大丈夫」など、一部で間違った見解が出ていたこともあります。

なぜお弁当を保冷するのか
なぜ、お弁当を保冷するのかというと、食中毒予防です。
食中毒を起こす細菌は、種類によりますが一般的に20~50℃程度で増殖し出します。お弁当を作る時には衛生に気をつけて作る事が多いと思いますが、細菌は空中に浮遊しています。完全無菌室でない限り、細菌は食品に付いてしまいます。
そのため、お弁当が長時間この繁殖温度帯にならないように保冷する必要があります。

自然解凍食品とは
自然解凍食品とは、加熱しなくても数時間後にそのまま食べる事ができるようにした商品です。
自然解凍できる冷凍食品の決まりとしては
・35℃で9時間保存した上で、細菌試験、味・風味・食感の官能試験を行い、それをクリアしている
・HACCPによる衛生管理などにより品質面・衛生面の基準をクリアしている
という2点をチェックし、問題が無い商品が販売されています。
自然解凍食品は、その商品の品質についてしかチェックしていない
上記のように、自然解凍食品は、その商品の品質についてしかチェックしていません。
あくまでも「解凍するだけでおいしく食べる事ができるかどうか」だけです。他の食品を保冷できるかという目的には作られていません。
保冷剤とは
保冷剤とは、温度を下げたり低温を保ったりするすることが目的の薬剤や用品です。食品や医薬品を新鮮な状態で保つために使用されます。
名前の通り「保冷」を目的に作られている物です。
お弁当の食中毒防止対策には保冷剤を
ちょっとの補助はしてくれているかもしれませんが、自然解凍食品を入れても、お弁当の食中毒対策にはならないです。
春先からは急に気温が上がる日もあります。冬でも暖房がしっかり効いた屋内にいる場合もあります。
特に気をつけたいのは、お子さんなど自分以外の方のお弁当を置いておく環境です。どんな環境なのかをしっかり把握することが大切です。

保冷剤と保冷バック
お弁当には、保冷バックと保冷剤を使うのがオススメです。
クーラーボックスの方が安心感がありますが、嵩張るし、持ち歩きにくいので日常使いはしにくいです。(車移動が多い方は持っておくと色々つかえると思います。)
保冷バックを二重にして使うと、保冷の維持時間がアップします。100円均一でも保冷バックは沢山販売されているので、通常使いであればこの方法を使うと良いと思います。
蓋が保冷剤になっているお弁当箱も販売されています。こういったアイテムの併用も効果がありそうです。