大人になってからアレルギーになることも
「食物アレルギー」は子どもがなるもの・・・そう思っている方もいらっしゃいます。でも、大人になってから「食物アレルギー」になることもあります。
生活環境・習慣は少しずつ変化しています。それによって身体にも影響がでてきます。
花粉症からの食物アレルギー「花粉・食物アレルギー(PFAS)」
大人になってからのアレルギーで一番増えているのは、こちらのアレルギーかもしれません。花粉症の方が年々増えていると言いますから、花粉症が関連するアレルギーはどうしても増えていきます。
花粉症が関わる食物アレルギー「花粉・食物アレルギー」
花粉症が関わっている食物アレルギーの事を「花粉・食物アレルギー「PFAS(ピーファス)」といいます。食物中のタンパク質と、花粉症を起こす原因物質の形が似ている事で起こると言われています。似た物質でアレルギー反応が起こることを「交差反応」といいます。
日本ではスギ花粉情報がテレビで放送されるくらいですから、スギ花粉が花粉症の原因となる方が多いと思います。ですが、花粉症はスギ以外にも原因となる植物があります。
「花粉・食物アレルギー」は原因花粉によってアレルギー反応を起こしやすい食品が変わってきます。
*以前は「PFAS」と呼ぶことも多かったですが、最近は水質問題で同様の名前がでてくるため、あまりこの呼び名は使われなくなりました。
「花粉・食物アレルギー」の症状
「花粉・食物アレルギー」の症状は主に口やノドにあらわれます。
- 口の中が赤くなる
- かゆい
- イガイガ
- ピリピリ
- 痛み
- 耳の奥のかゆみ
などの身体への違和感があります。
「花粉・食物アレルギー」の原因食品
「花粉・食物アレルギー」は原因花粉によってアレルギーになりやすい食品が変わってきます。どんな食品かは以下ご紹介していきます。
①~④の植物名が原因花粉の飛ぶ植物です。その後ろに書いてある月は、いつ花粉が飛ぶかの目安です。
ご自身の花粉症の原因がどの植物かわかっていれば、判断がつきやすくなるかもしれません。
①原因花粉:ヒノキ科(スギ:1月~5月)
・ナス科(トマト)
②原因花粉:カバノキ科(ハンノキ:1月~5月、シラカンバ:4月~6月)
・バラ科(リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、アンズ、アーモンド、ビワ、イチゴ、洋ナシ、スモモ)
・マメ科(ダイズ(特に豆乳)、ピーナッツ、緑豆もやし)
・マタタビ科(キウイフルーツ)
・カバノキ科(ヘーゼルナッツ)
・セリ科(セロリ、ニンジン)
・ナス科(じゃがいも、ししとうがらし)
③原因花粉:イネ科(オオアワガエリ:4月~11月、カモガヤ:4月~11月)
・ウリ科(メロン、スイカ)
・ナス科(トマト、ジャガイモ)
・マタタビ科(キウイフルーツ)
・ミカン科(オレンジ)
・マメ科(ピーナッツ)など
④原因花粉:キク科(ブタクサ:6月~11月)
・ウリ科(メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ)
・バショウ科(バナナ)
⑤原因花粉:キク科(ヨモギ:6月~11月)
・セリ科(セロリ、ニンジン、クミン、コリアンダー、フェンネルなど)
・ウルシ科(マンゴー、ピスタチオ)
大豆アレルギーでないのに、豆乳に反応される方が時々いらっしゃいます。
それはPFASであることが疑われますね。
花粉症の人、みんなが食物アレルギーなるわけではない
あくまでも、花粉症の人がなりやすい食物アレルギーです。
- 問題なく全部食べる事が出来る
- トマトだけが駄目
- ハンノキに書いてある食品半分くらい駄目になってしまった
など、人それぞれです。もし、口や喉のあたりがピリピリする、赤くなっている等感じたら食べないようにし、病院で確認するとよいと思います。
しっかり加熱すれば大丈夫な場合もある
トマトやリンゴなどは、しっかり加熱すれば症状なく食べる事が出来るようになることが多いです。
ですが、モモは加熱しても症状が出てしまうなど食品によって異なります。
専門医に相談してみましょう。
運動誘発性小麦アレルギー
小麦・小麦製品を食べただけではアレルギー症状が出ません。食後、運動するなど血流が良くなるとアレルギー症状が出るタイプのアレルギーです。運動だけでなく、アルコールの摂取、お風呂などで血流が良くなっても症状がでます。
乳幼児期は、食事をした後にお昼寝をすることが多いです。小学生になるとお昼寝をしなくなり、給食後の昼休みや5限目に体育で運動するようなります。このため小学校で発覚することも多いアレルギーです。
運動誘発性小麦アレルギーの症状
全身のじんましん、呼吸困難などショック状態など重い症状が出ることが多いです。
エビ・カニなどの甲殻類、サバなどの魚類
「いつの間にか、食べるとアレルギー症状が出るようになってしまった・・・。」という事が多いのがエビ・カニなどの甲殻類やサバなどの魚類です。今までの食生活で食べ過ぎているなど言われていますが、アレルギー反応がでるようになるハッキリとした原因はわかっていません。
エビ・カニなどの甲殻類、サバなどの魚類アレルギーの症状
一般的に思い浮かべるアレルギー症状が多いです。
皮膚のかゆみ・じんましん・赤み、呼吸器の咳、喉がゼーゼーヒューヒューなる、腹痛・下痢・嘔吐などです。
サバアレルギーというのは思い込みのことも
鮮度が落ちたサバには「仮性アレルゲン」というものができてかゆみや発疹の症状が出る事があります。それによってサバのアレルギーだと思うことがあるようです。
「新鮮なサバなら大丈夫」という場合にはサバアレルギーではありません。
サバアレルギーでなかったとしても
身体になんらかの症状が出てしまうのであれば避けた方が良いでしょう。
運動誘発性の場合も・・・
上の小麦でご紹介したような、食べた後に運動するとアレルギー症状が出るタイプの運動誘発性甲殻類アレルギーの方も多いです。特にエビでアレルギーが出る可能性が高いと言われています。運動誘発性アレルギーは果物でも起こると言われています。
クラゲと納豆の意外な関係
健康的なサーファーが、サーフィンの後の食事で納豆を食べて発症する流れが多い事から知られたアレルギーです。この方達の共通事項はクラゲに刺された事があると言うこと。
花粉症と同じく「交差反応」で起こるアレルギーです。クラゲに刺さされた事で、体内に入ったPGAという成分にアレルギー反応を起こすようになります。このPGAが納豆のネバネバにも入っている為、起こってしまうアレルギーです。
サーファーは他の人に比べて海に入る回数が多く、クラゲに刺される可能性が高いです。また、早朝波乗りをして、その後朝食を食べる事が多いというスタイルもアレルギーにつながりやすかったのだと思います。
PGAアレルギーになると、中華クラゲやPGAの含まれる食品でもアレルギーがでると言われています。
クラゲに刺されたら必ず納豆アレルギーになるわけではないです。ですがサーファーに限らず、クラゲに刺された事がある方は注意が必要かも知れません。
PGAアレルギーの症状
じんましん、喉の症状、腹痛・下痢、呼吸器異常など重い症状が出ることがあります。
ダニと肉類の意外な関係
前述したクラゲと同じように「交差反応」により起こります。ダニに噛まれると、α-galという成分が体内に入ってしまいます。そうすると、α-galの含まれる4つ足の肉(牛肉、豚肉、羊肉)カレイの魚卵などを食べたことでアレルギーを発症してしまいます。
ダニに噛まれる機会の多いと予想される、ペットを飼っている方、自然の中でお仕事される方、登山される方に多く見られるようです。また、がん治療薬との交差反応もあるようです。
α-galアレルギーの症状
じんましん、嘔吐、ムカムカとした不快感が出るとのことです。噛まれる回数が多いほど、アレルギー症状も出やすくなります。
実は家族がこれを1度発症したようです。草むしりをした時に虫に刺されたか、噛まれたそうです。その後の食事でハム入りのスープを食べたところ全身じんましん症状が出て、非常にかゆかったとの事・・・。後からこれだったのかな・・・・と思いました。
ネコから豚アレルギー
ネコの皮屑(読み方は「ひせつ」フケの事をさします)を吸ってしまう、ネコに噛まれるなどで、ネコ血清アルブミンというものが体内に入ると肉アレルギー(主に豚)になってしまう症例があります。
このアレルギーは「豚肉ーネコ(Pork-cat)症候群」と呼ばれています。
豚肉ーネコ(Pork-cat)症候群の症状
10~50歳代が発症し、腹痛をはじめ、じんましんなどの皮膚症状が出ます。よく加熱することでアレルゲン性(アレルギーが起こる率)を下げることができます。
ネコと豚、イヌと牛で似ている部分があるようです。
ダニ同様、ペットがいるご家庭は気をつけた方が良いですね。
化粧品などからの食物アレルギー
口紅の赤い色素と似た食品の色素でアレルギーが起こった。石鹸に含まれる成分で小麦アレルギーになった。保湿剤に入っていたピーナッツオイルでピーナッツアレルギーになった。
など、食品を食べなくてもアレルギーになることがあります。
コチニールアレルギー
コチニールという赤い色素が原因のアレルギーです。コチニールは染色用赤色色素や化粧品に使用されています。コチニールを使った口紅が原因とされる例があります。
マカロン、カンパリ、ジュース、シロップ、明太子、紅ショウガなど、赤い色をつけた食品でアレルギー反応を起こしています。症状はじんましんや赤くなるなどの皮膚症状、下痢などです。
現在では精製度が上がり、アレルギー反応は起こりにくくなっています。
ピーナッツアレルギー
保湿剤に含まれていたピーナッツオイルが原因で、ピーナッツアレルギーを発症した事例が海外で報告、イギリスで調査されています。
まとめ:大人になってからも食物アレルギーは起こる
大人になてからのアレルギーと題してご紹介してきました。
食物アレルギーは子どもがなるもの・・・そう思われる方もいらっしゃるようです。
しかし、意外と大人になってから食べるとアレルギー症状が出る食品も出てきます。
条件が揃ってしまえば子どもでも同じアレルギーになることがあります。特に花粉症人口は増えていますし、幼い頃から花粉症の子ども多いです。花粉症のお子さんの場合、野菜・果物の好き嫌いはアレルギー反応が出るから嫌なのかどうか確認してあげて欲しいと思います。
何かおかしいかも・・・と感じた際には医療機関の受診をおすすめします。
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