身体に塗った保湿剤が原因の事例
今回は、ピーナッツを食べたことがないのに、保湿剤に入っていたピーナッツオイルでアレルギーが起こった事例をご紹介します。
ピーナッツアレルギーとは
ピーナッツ(落花生)を食べると、じんましんなどの症状が出る状態を「ピーナッツアレルギー」といいます。
ピーナッツアレルギーの症状は重くなる事が多いです。じんましんだけでなく、呼吸器の異常や呼吸困難などを引き起こします。
その為、日本だけでなく海外でも食品表示法等によって食品に使用した場合は表示の義務があります。
保湿剤で赤く・・・!
イギリスでの事例です。
ピーナッツを食べた事がないお子さんに保湿剤を塗りました。すると全身が赤く・・・!調べて見るとこの保湿剤にはピーナッツオイルが含まれていました。
このようなことから、ピーナッツオイルが含まれた保湿剤を使用した調査が行われました。ピーナッツオイルの入った保湿剤を使用しているとピーナッツアレルギー発生率が高いという調査結果が2003年に公表されています。
保湿剤に入っていたピーナッツオイル
当時の油は精製度が低く、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が多く入っていた可能性も指摘されています。
皮膚のバリア機能低下は要注意
現在では、皮膚のバリア機能が低下しているときに、アレルゲン性のあるものを肌に塗る・付着すると皮膚感作しやすいと言うことがわかってきています。
要は、肌荒れからアレルギーの元が皮膚の中に入ってしまうと言うことです。
保湿剤は肌荒れ改善に塗る事が多いですから、アレルゲンが入りやすい状況と考えられます。
アレルギーマーチということば
アトピーの方はアレルギーになりやすい・・・という事がわかっています。
どうしても肌が荒れやすいので、そこからアレルゲンが入りやすいと言うことも一因です。
自然のものだから安全だろうという思い
食品や植物由来の天然オイル。
なんとなく、身体によさそう、安全そう、という気持ちになります。ですが、アレルギーについて考えると一概にはそうとも言えない事になります。
日本では小麦アレルギーが起こった
日本では2011年「茶のしずく」という石けんを使用した人がアレルギーを起こしました。(こちらは主に大人ですので、小麦を食べた事がある人です。)
材料に小麦を加水分解という方法分解した成分を使っていたそうです。その中に小麦の成分が残ってしまい、皮膚感作でアレルギー症状が出たのです。使用後に症状が出たり、運動するとアレルギー症状がでる運動誘発性の事例もありました。
ちなみに石鹸の使用を止めてしばらく経つと症状は改善されたとのことです。また、石鹸使用者全てがアレルギーを発症したわけではありません。
↓ 運動誘発性アレルギーについてはこちら ↓
皮膚から吸収する
昔は「皮膚は汗や皮脂の排泄器官であって吸収はしない」という考え方がありました。
ですが、こういった事故から皮膚からも一部の成分は吸収すると言うことがわかってきました。
何か食べた後に、赤ちゃんやお子さんに触れる場合は手を綺麗にしたいですね。
化粧品にも注意が必要になってくる可能性も・・・
アレルゲンの表示義務は食品表示法によって決められています。食品に関する法律ですので、他の商品には適用されません。
ピーナッツオイルの件などを考えると、保湿剤だけでなく肌に直接塗る化粧品にも注意が必要です。特にオーガニックや自然由来といったもの。特に法律やガイドラインが日本と違う海外製品は成分欄をしっかり確認する必要性が出てくるかもしれません。
まとめ:皮膚からも食物アレルギーが起こる可能性がある
今回は、ピーナッツを食べたことがないのに、保湿剤に入っていたピーナッツオイルでアレルギーが起こった事例をご紹介しました。
最近はナッツアレルギーの患者さんも増えています。ナッツ由来のオーガニックオイルを保湿目的で身体に塗る等には注意することも必要になってくるかもしれません。
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