食事の途中でトイレに行かないことは、「食事のマナー」として一般的です。
しつけとして子どもに教えることはとても大切です。大人になって「マナーがなっていない」と思われても困ります。
ですが、厳しすぎるのも問題だと思います。どう考えるべきでしょうか。
子どもが食事中、トイレに行きたくなるのは当たり前
食事をすると、胃がに食べ物が入ります。胃に食べ物が入ると、腸も活動し始めます。その為、トイレに行きたくなってしまうのは生物として仕方の無い事だと思います。
大人であれば、腸も長く、すぐにトイレに行かなくても、とりあえず我慢できます。
ですが、子どもの腸はまだ発達段階。腸も大人と比較してずっと短いです。
赤ちゃんは食事中に排泄している事も多い
赤ちゃんから乳児期、まだオムツをしている頃は、排泄をコントロールできません。だからこそ、オムツをしています。
食べ始めれば胃が動き、腸も動きます。食事中に動きが止まっているお子さんは結構な確率で、排泄しています。
でも、それは幼い身体の構造上、致し方ないことです。
「お腹が痛い」と「トイレに行きたい」の区別が付きにくい
言葉が話せるようになり、排泄トレーニングを始めると、自分でも排泄したいいうことを言葉や身振りで表現するようになります。
子どもが「お腹が痛い」というと「トイレに行ってみようか」と言うこともあると思います。まだ「お腹が痛い」と「トイレに行きたい」の区別がつきにくいんですね。
どの言葉を選んだら良いか、わからないということもあるかもしれません。就学前の年長さんでもこういった事がありますから、小学校低学年頃にはまだ身体の感覚をつかむことも、表現をすることも難しい場合があると思います。
トイレに行ったら、食事も進む
子どもの身体はまだ成長途中で小さいです。でも、成長するために沢山食べる事も多いです。まだ小さなお腹に沢山詰め込みますので、腸に便が溜まっていると食事が入っていかないことがあります。その際にも「お腹が痛い」など話す子もいます。
本来、食事中にトイレに行くことは良い事ではないかもしれません。ですが、子どもは食べる事を優先した方が良いと思います。トイレに行きたいなら行ってもらって、スッキリしてから食べて貰う必要もあります。
トイレに行きたいのに食事中立てない、食べる事ができない、辛い、食事が嫌いという悪いループにならない事の方が大切だと思います。
もしトイレに行ってスッキリしても食べられないのであれば、別のアプローチが必要です。
食事中にトイレに行ったときには声かけでフォローする
その際に「トイレは食事が始まる前に行けたら良かったね」「ちゃんと石鹸(ハンドソープ)で手を洗ってきた?」などの声かけが重要です。マナーとして守るべき事はしっかり伝えていきます。
ご家庭であれば、「本当はご飯の時はトイレに行かない方がいいから『食事中に失礼しました』って言うんだよ」などお話して、子どもが言えるようにしていくとさらに良いと思います。
生理現象は、大人であっても自分で調節するのは難しい事だと思います。
無理に長く我慢すれば膀胱炎や便秘になってしまうなど、身体に害を与えます。マナーは大切ですが、「絶対ダメ」という事もないでしょう。
周囲の人に「マナーは知っています。失礼してすみません」と伝える事ができるようにする方が大事かなと思います。
もちろん、大人が毎回食事中にトイレ・・・は問題です。あまりにも排泄のルーティーンがわからにようであれば、なんらかの専門家に相談してみるのも一つかもしれません。
注意するときには強い言葉は避けたい
それぞれ体質が違う
便秘になりやすい方、下痢になりやすい方、出したいときに出せる方・・・色々な体質の方がいます。
親子で同じ場合もあれば、違う場合もあります。そういうこともあるのかも、と思う事も必要だと思います。
「違反」というのは強い言葉かもしれない
マナー違反、ルール違反、言葉として普通に使います。
ですが、言われた方はどうでしょうか。「マナーを守れなかったね」より「マナー違反だよ」と言われる方が強く感じないでしょうか。感じ方は人それぞれですが・・・。
「違反をした」「違反者」と言われたと、凄く落ち込んでしまう人がいる気がします。「違反をした」「違反者」と言われたと、反感を持つ人もいる気がします。もちろん、法律や公的ルールであれば、そう言われて当然です。一方で、暗黙のルールやマナーであれば「違反」という言葉は避けた方が良いのかなと思います。反感をもつと意固地になる人も世の中にはちらほらいます。
指摘された方が、落ち込んでしまったり、反感を持たれない言葉の方が良いですよね。指摘する方も気持ちが楽です。
自分の身体や人に危害がなければ、臨機応変に
自分の身体や人に迷惑をかけたり危害がある事は強く言うべきだと思いますし「絶対ダメ」です。
ですが、他のことには少し寛容になっても良いと思います。そして、そのフォローができるようにしていく方が大切なのではと感じる今日この頃です。