栄養士に向いていないと思う時って?
「栄養士という仕事は私に向いてないんじゃないか?」
そう感じる人が一定数、いるようです。かくいう私もその一人。
でも、本当に「栄養士」に向いていないんでしょうか?
栄養士に向いていないと思うタイミングは・・・?
「自分が栄養士に向いていないのでは?」と思ってしまうには、たいがい理由があります。
現場の人と上手くコミュニケーションが取れない、ミスしてしまう、計算が苦手、説明が下手、思ったように仕事の成果が出ない、想像していた業務と違う・・・などなど。
何か落ち込むような出来事があってからの方が多いと思います。
でもそれは、ほんとうに自分の責任だけでしょうか。それは栄養士に向いていないんでしょうか?
例えば、計算ミス・入力ミス
以前、私の発注ミスが人より多いことを悩んでいたときのこと。
自分で何度確認してもミスが出るので、他の人にダブルチェックをお願いしていました。
別業界の人に悩み相談をする機会があったときに「ミスが起こる方法を続けている事に問題意識を持った方が良い」と言われたことがあります。
その現場で過去の話を聞いてみると、ミスの回数に差はあっても、ミスをしていたのは私だけではなかったんです。
で、あれば、「ミスが少なくなる方法を探して実施する」がいいんですね。
簡単にその方法は見つからなかったとしても、「自分がダメ」だと責めすぎることはないんです。
計算や、発注など苦手な業務をしないですむ職場、または、ミスしない工夫を取り入れている
職場を探してみるのも一つの方法です。
例えば、現場でのコミュニケーションが下手
コミュニケーション。難しいです。
でも、それは自分だけの責任でしょうか?自分の考えがあるのと同じように、相手にも考えがあります。考えが全く相容れない人とは、上手く調整出来る場合もあれば、最悪の事態がおこる場合もあります。
考えが相容れなくても、仕事だからと割り切ってくれる相手と、感情だけで対応してくる相手とでは、その後の流れや関係性が変わってくると思います。自分が譲歩したり、協力をあおいでも、相手が対応してくれないタイプであれば、相手の言うことを聞くしかなくなっていきます。
コミュニケーションを取るには自分の努力も必要ですが、相手が歩み寄ってくれるかどうかでも変わってきます。
これは、自分だけの責任ではないと思います。
ひとり仕事でわかってもらえない
栄養士の有資格者が現場に一人しかいないと、他の人にわかってもらえないと思う事もしばしばです。
ですが、栄養士が2人以上いても、考え方が違う場合は、意外とやり難い事があったりします。相手の作業スピードや、仕事の仕方なども気になったりしてしまいます。
栄養士の向き不向きと言うより・・・
「栄養士」の向き不向きと言うより・・・働く人の多くが悩むこと
栄養士特有の仕事内容で比較してしまうので「栄養士に向いていないんじゃないか」と悩むことがあります。
でも実は、専門職でなくても、働いている人の多くが悩むことと実は同じ内容です。
世の中には、コミュニケーションについての悩み解消やhowtoを教える書籍や動画、講習会などが数多く存在します。
仕事術なども同様です。
例えば「発注」だけピックアップしても、栄養士職以外の人だって、どこかで発注作業をすることはあるわけです。飲食店もスーパーもコンビニも。発注は栄養士だけがする業務とは言えません。
もちろん、特殊な立場である事は多いですが「栄養士に向いていない」のではなく「働く場所があっていない」「相性が悪い」だけな場合もあると思います。
栄養士の立ち位置で色んな現場に行ったけれど・・・
私は、委託給食会社で色々な現場に行かせて貰いました。
凄く居心地の良かった現場、辛かった現場。同じ会社内であっても、現場によって全然違いました。
各現場で営業状況も違うため、栄養士として求められることや日常業務もちょっとずつ違いました。
居心地の良かった現場は、相性が良い人が多かったと感じます。また、業務でもあまりミスが出ていませんでした。担当業務とも相性が良かったんだと思います。
居心地が悪く、辛いと感じた現場では、業務でもミスをしがちでした。
建物構造や立地などの現場環境とは相性が良くても勤務している人と相性が悪かったり。勤務している人が相性の良い人ばかりでも、現場環境と相性が悪い事もありました。さらにはクライアントとの関係性なんかもあったりしました。
仕事が出来るなど評判の良い人が異動してきても、実際に業務に入ると「実際はそうでもないんじゃ?」と言われることを耳にすることもあります。
多分、前の現場では、現場環境やその現場の人と、相性が良かったんでしょう。そこで良い評価が立った。けれど次の現場では、評価が悪くなる・・・なんていう可能性もあるわけです。
「栄養士」が問題、と言うより職場・業務との相性では?
現場環境や現場で働く人、お客さんや患者さん。クライアント。そういった全体的な環境が働きやすさや、考えを左右します。同じ業務でも、現場によって進め方が違うこともあります。
となると、これは「栄養士」の向き不向きと言うよりも「職場・業務との相性」とも言えます。
「自分がダメ」「苦手」と決めつけずに、自分がどうして「栄養士に向いていない」と思ったのかを見直すことが大事です。何が苦手なのか、イヤなのか。どうして「自分がダメだ」と感じたのか。自分がやりやすい、効率がよい方法に変える事が出来ないかとまず検討する。
それから、苦手・イヤな事をやらないですむような、違う職場を探してみるのも一つです。
違う業務方法を考える・違う場所で体験してみる
「栄養士で仕事するのはもう無理!」と思う場面も、確かにあると思います。
現実問題として栄養士には、リーダー、責任者、献立作成、発注、入力、調理、発注、在庫管理、衛生、人員管理、栄養相談などなど、求められることは多く、これらに強い苦手意識があれば、栄養士を無理に続ける必要はないかもしれません。
「発注」という業務でも会社によってシステムは違います。同じ社内でも現場によって運用方法は違う事もあります。前の会社では苦手だったけれど、今の会社では苦手ではない・・・なんていうことも起こります。
無謀な量の仕事を押し付けてくる職場もあります。キャパシティオーバーな仕事をしている場合には、できないのは当たり前かもしれません。この場合「栄養士が向いていないのでは?」と思ってしまうのも早計です。
現場を探したり、別の場所でやってみて、自分を見直して見るのも一つかもしれません。心身を壊さず、できれば楽しく仕事が出来る場所を探したいです。
栄養士は法律で配置基準があるから・・・
栄養士は法律で配置基準があるから・・・と気負っていたりしないでしょうか。
また、配置基準があるから栄養士は偉いとか、意識していないでしょうか。もしくは無意識に思ったりしていないでしょうか。
実は、それが自分を追い詰めている可能性もあります。
個人的見解ですが、これは教育機関に問題があったと思っています。少なくとも私が養成校で授業を受けていたときに「栄養士は法律で配置が決まっていて、やるべきことがある」「大事な仕事」という気持ちが生まれました。同じ授業を聞いても、受け取り方は様々なので、クラスメイト達がどう感じ取ったかはわかりません・・・。言葉通り受け取った人、様々な人が入り組んでいる社会の前提を考えた上で受け取った人、経験はそれぞれなので、受け取り方も様々でしょう。
確かにやらないといけない事はありますが、それぞれの仕事に重要性があります。それがわかっていれば、栄養士だけが偉いワケではないと気付きます。
栄養士に「向いていない」と思うより・・・
栄養士に「向いていない」と思うより、どの業務が「苦手」「下手」「嫌い」「向いていない」という事に目を向けた方が良いです。「嫌い」でもできていれば問題ないです。失敗ばかりするようなら「向いていない」のかもしれません。
でも前述したように、「向いていないと思う業務」は現場によって、そうではなくなる可能性があります。
「発注」で失敗するならば、発注業務がないところ。「人員管理」が向いていないのならば、人員管理がないところ。そのように次を探す。好きな業務があれば、それがメインで出来る所。
フリーで活躍する栄養士さんもいらっしゃいます。
自分のどこが栄養士に向いていなくて、どこが栄養士に向いているのか。日本人、特に栄養士は真面目な性格の方が多いです。出来ないことに注目する育ち方をしたきた人も多いと思いますが、自分の出来ることにも着目していきたいです。