【アレルギー対策】現実に合わせたルールにする

アレルギー
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アレルギー対応で過去、困った事があったので、その話をご紹介します。

アレルギー対応で困ったこと

保育園勤務時に、アレルギー対応で困った事に遭遇したことがありました。

色々な困り事がありましたが、今回は果物に関してです。

保育園での果物の立ち位置

保育園の多くでは、昼食に果物が提供されます。これは、栄養のためというよりも「食べる事が出来て偉かったね」といったような「ご褒美」の意味合いが強いです。

「バナナさん待ってるよ」等、園児に声かけして昼食を頑張って食べて貰うというも話もよくあります。

食材費や作業時間を考慮して、果物の提供を毎日から曜日限定に変更できないか上層部に打診したことがありましたが、当時の園では却下されました。

ご自宅で果物を食べる回数が少ないと言われるので

可能なら毎日提供しても良いとは思いますが・・・

果物のやりくり

リンゴや梨であれば、1個を8人~10人分に切り分けます。バナナだったら長さにもよるけれど3~5人分。・・・これを園児数・職員数で計算して発注をかけます。ただ、園児のお休みがあったり、出勤職員数も多少変わってくる事があり、ズレが生じてきます。

また、予定していた果物が入荷できなかったり、品物状態が良くなくて、交換してもらう事もあったりします。私がいた園は園児だけで100人を超える規模だったため、返品交換時に同じ果物にしてもらう事ができない事もありました。

私がいた園では少しずつズレが出て、果物が余っていき、クラスによって果物を変えて提供することがよくありました。

こういった色々な理由で、献立表に果物の種類を記載せず「果物」と記載したり、欄外に「昼食には果物がつきます」と記載する園もあります。何を食べるかわからないと困るので、その月に提供するであろう果物を欄外に記載しておく場合もあります。

「果物」のアレルギー対応の「現実」と「ルール」

以下、例えをリンゴのアレルギーで書いていきます。

私の以前いた園の話です。「リンゴアレルギーの場合、給食でリンゴが出たら、その子どもは果物提供は無し」という決まりになっており、保護者もそれを了承している。という引継ぎが、前任者からありました。

別の果物での代替え対応もしない、とも決まっていました。

既存の職員はそれを皆知っていました。

担任不在という危険な日も・・・

土曜日にもアレルギー対応はあります。担任がお休みでいない日もあります。

調理師がアレルギー児のいるクラス全員分のリンゴを用意してしまっていたことがありました。数があったので誤ってリンゴを配膳しかけました。ここでは担任が気付き、回避してくれました。担任でなかったら気付いていなかったかもしれません。

お休みや土曜日、勤務時間の変更によっては担任がいないタイミングも考えられます。その日だったら危険でした。

(ちなみにその日、栄養士は不在でした。)

決まりはあっても、実行はしていなかった

私としては、皆が知っている話だったので、引継ぎ通り「リンゴの提供は無し」でいいのだろうと思っていました。

リンゴ以外の新しい果物の発注も考えましたが、在庫のリンゴが傷んでいってしまうの懸念材料でした。

その後、よくよく話を聞くと「果物の提供は無し」と決まってはいたけれど、実行したことはなかった事がわかってきました。結局「果物は無し」にならないように、別の果物を発注していたんですね。だったら、そう引継ぎして欲しいですよね。

すでに話し合いによって存在しているルールがあったので、

それに添うようにしたんです

ルールを変更してもらう

これを機に「アレルギー児のいるクラスには該当の果物は提供しない」というルールに変更して貰いました。実行していないルールは混乱を生みます。

ただ、このルールだと該当クラスには「リンゴ」がずっと提供されないのか?と言われてしまうかもしれませんが、現実として実際そうだったんです。ちゃんと決まったルール通りに「果物の提供無し」を実行していれば、そんな事は起こらないんですね。

もしくは代替え対応する事を、提供のルールにしておけば良かったわけです。

「察して」行動するのはあまり良いことではありません。

アレルギー症状が出る可能性の高い果物は、そもそも提供しない

アレルギー症状が出るリスクの高い果物もあります。

一時期から保育園・学校での「キウイフルーツ」の提供は随分減少していると思います。また、家庭での喫食可能性が少ない「ビワ」も、数年に一度、アレルギーの集団発生があるため控える事が多いと思います。

ご家庭で食べる機会が少ないからこそ給食で食べてみて欲しいという側面で提供することもあると思うのですが、リスクのある果物を提供して健康被害を出す方が危険という事で「アレルギー症状が出る可能性の高い果物は、そもそも提供しない」という考え方が主になりつつあります。

気をつけたいのは、園庭の果物やいただきもの

園庭で取れたものに関しても、子どもに提供する場合には注意が必要です。

また、近くの農家さんからご厚意でいただくなどもあるかもしれません。

保育園では、給食で提供する食材一覧を事前配布し、提供の同意を求めている事が多いと思います。一方で、園庭や畑でとれる食材を一覧に載せていない可能性があります。給食使用食材一覧に入れるか、園で食べさせるかもしれない食材として別枠や別紙に記載し、同意を得ておく必要もあります。

食材一覧に載せていない食材を提供することもあるかもしれません。献立表で事前にわかる場合はまだ良いですが、そうではない場合、普段食べないには食材は実際に喫食させる前に、保護者に同意をとる方が安全です。

そもそも、果物の種類を献立表に記載する

そもそも、献立表には「果物」というまとめた書き方ではなく、実際に提供する果物名を書く方が望ましいです。

その上で、「提供なし」や「代替え対応」をアレルギー献立表に明記すれば、間違いがありません。

園によっては献立表に果物名を明記しています。学校給食では果物の提供自体が少ないこともあり、果物名が明記されています。

余りそうな果物は大きめに切ったり、職員で食べるなどして、その日に食べきってしまうわけです。

一方で、インフルエンザや感染症の流行時などは子どもの急なお休みが多かったりするので、発注の調整が難しく、大量に余ってしまう事もあるわけです。

それもあって個別名でなく、「果物」表記にしているわけですが・・・

アレルギー対策は現実に合わせたルールにする

アレルギー対策にかかわらず「使っていないルール」や「使いにくいルール」は改訂していくことが必要です。

実際にやっていないことをルールにしておくことは危険です。察して運用するというのは、勘違いも引き起こします。子どもは進級してきますし、担任も替わります。人は入れ替わり、環境は変化していくものです。

また、理想を掲げることは大切ではありますが、実践できない理想を掲げるのも危険です。

アレルギー対策は今実際にやっている事、現実に合わせたルールにすることが大事です。過去決めたことであっても、状況は変わるので、見直して行くことも大事です。

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