【栄養士】養成校、どこがいいのか?

栄養士
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栄養士になるには、今のところ、栄養士養成校の卒業が必須です。通信講座などでは取得することができません。卒業すれば、誰でも取得できます。

養成校には大学、短大、専門学校と色々あります。

今回は、実習生を受け持った経験から、私が思った「学校選びに入れて欲しい一つの項目」について書いていきます。

学校を選ぶ時・・・

進学を考えたときに、一般的に何を考えるかというと

  • 偏差値
  • 通学時間や1人暮らしの場合はさらに経費
  • 学費
  • 学校の知名度
  • 学校の設備
  • 学校の雰囲気

などを色々複合的に考えて決めると思います。栄養士を目指す場合は、ここに

  • 管理栄養士受験資格までの年数

ということも追加されると思います。

個人的にはここに「実習」の多さも付け加えて欲しいんです。

栄養士養成学校には校内での調理実習の「校内実習」と、校外で行う「校外実習」があります。

今回は、「校内実習」についてです。「調理実習」や「集団給食実習」などがあります。授業名は各学校で差があるかもしれません。

「調理実習」と「集団給食実習」の違い

「調理実習」と「集団給食実習」の違い

「調理実習」は主に4・5人分の量で、調理を行います。家庭での調理に近いですね。家庭科の授業のイメージです。

「集団給食」では、学校によって違うと思いますが50人分・100人分などの大量調理をします。

集団給食になるとまず、食材の全体量が増えます。例えば、5人分であれば人参1/2本という使用量が、100人分では人参10本になります。

それだけではなく、調理する上でも気をつけることが色々変わってきます。

全体量も調理の注意点も変わってくる

料理が好きで、家でよく料理します!という人でも、人参10本を切る機会はあまりないはずです。

実際に人参10本を目にすると量に驚くし、切っている間に疲れてきます

これは実際に就職した後、しだいに慣れてくる事ではあります。が、慣れるまでが意外と大変な事もあります。忙しい現場では、指導担当がずっとついてくれるわけではありません。

就職するより前に実施される、校外実習では、さらに慣れないことばかりで、見た方が良いことも見られず、驚くことばかりになってしまいます。

調理実習・校内実習の大切さ

どうやって食べたらいいかを話さないといけないことも・・・

先に書いておくと「校内実習」「調理実習」以外の授業ももちろん大切です。栄養士は専門職なので、専門知識の授業も重要です。

ただ、調理は仕事をする上で基礎・根本になる事が多いです。

就職先を考えたときに「調理場には絶対に入らない」「栄養指導しかしない」と心に決めていても、実際に就職してみないとわからない事もあります。

調理場に入らない職場であっても「栄養指導」「栄養相談」などの際に、「こんな調理法はどうですか」というアドバイスが必要な事もあります。その時に調理については知っておいた方がいいんですね。

校外実習を受けもって、気付いたこと

私は、実習生受け入れ施設に勤務していた時期があります。

実習中には学生に野菜の仕込みをしてもらうようにしていました。

食材の切り方には名前が付いています。よく聞くであろう「千切り」をはじめとして「いちょう切り」とか「色紙切り」とか色々あります。

切り方の名前だけではどう切ったらよいのか、わからない実習生がいました。「いちょう切り」にしてと指示を出したところ「はて?」という顔をしたんですね。

逆に、料理名を見て「厚みは3mmくらいでいいですか?」と、どのように切ったら料理に合うか察して質問してくれる実習生もいました。

切り方の名称は、学校で絶対習っているはずなんですね・・・。「いちょう切り」は小学校の家庭科でも教わるレベルのはずなんです・・・。

ただ、校外実習という事で、緊張してしまってよくわからなくなってしまった可能性も、あるとは思います。

さらに。人参10本を見て「これ全部ですか?」と驚く実習生と、淡々と「はい」と応えられる実習生。

本当に反応が色々でした。

それまでの生育環境・・・家で手伝いをしていたとか、料理が好きかどうかという違いもあったと思いますが、所属学校によって顕著に違いを感じました

実習で、現場で、学生が困らないように

校外実習では、実習期間中に各学校の先生見回りに来ます。よく動けていた実習生の先生に「調理場で即戦力になりそうですね」とお話したところ・・・

その学校では、学生が困らないように、調理実習に、特に集団給食の実習回数を増やすなど力を入れているという話でした

職場によって、使用しているソフト、仕事の手順などは全く違ってきます。しかし、野菜を切ることなどに関しての違いはあまりありません。手が動くようになっていると、就職した後に困る事が一つ減るわけです。

即戦力が求められる

どの分野でも、仕事では即戦力が求められる事が多いです。

前述した先生が「学校が学生に出来ることは何かと考えたときに、校内での実習を回数を増やし経験させること」という結論に至ったというお話をしてくれました。

その先生は現場での経験があったので、実情をよくおわかりでした。

学校の先生には、現場経験のある方と、ない方がいて。現場経験がある先生は話が早いです。

多分、現場経験がある先生の方が学生にも良いアドバイスができると思います。(経験による先入観もあるかもしれないですが・・・)

実習が多い事のメリットは他にもある

校内実習によって経験が得られることで、調理の業務がない現場に就職しても、調理や現場のことなどの想像がしやすくなります。

給食を提供する病院や福祉施設であっても、調理全般を委託業者に任せることもあります。そういった場合に、学生時代の経験が多いか少ないかで想像できる事が変わってきます。

「調理実習」の多さを考慮するのがおすすめ

私が思った「学校選びに入れて欲しい一つの項目」は、調理実習、集団実習の実施回数や内容です。

現場によって違うとは思いますが、これによって、最初につまずく事が減ると思います

また、「集団給食がどうしても苦手!」など、学生のうちに気付く事があれば、就職時にそれを避ける選択をすることもできます。私は料理が好きでは無いので、学生時代もっと練習できたら良かったなと未だに思っています。

机上の勉強より、実際に身体を使って体験した方が、理解もしやすいという利点もあります。

養成校選びの際には、各校の調理実習・集団実習の数や時間も見ていただくと良いと思います。

各校のホームページに情報が掲載されていれば、それを参考にする。記載がない場合にはオープンキャンパスなどで聞いたり「学内での調理実習や集団給食実習の時間数や、実施すること」などについて学校に問い合わせてみるとよいと思います。何校かで比較してみると、色々わかってくるのではないでしょうか。

あと、大きな声では言えませんが、短大はオススメしません。入学後の夏にはすぐ就職の話が出てきます。2年しかないので全授業数が少なく、もちろん校内実習の時間も限られます。その為、知識・経験ともに少なくなってしまうからです。私自身は短大卒なんですけど・・・。

コロナ禍のような事がもし今後あれば実習は難しい部分ですが・・・

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