給食で食物アレルギーなどの対応をやめるには?
食物アレルギーが治り、給食の対応を止める時の話です。
食物アレルギーの給食対応をやめることを、「解除」するといいます。
保育園でも学校でも、給食のアレルギー対応を始めるときには、医師が記載した「生活管理指導表(以下、指導表と略)」が必要です。一方、解除の時には「指導表」は必要ありません。
確認のための書式が地方自治体などが用意しているので、保護者に記載してもらいます。
アレルギー対応解除の判断は何を確認?
アレルギー対応解除するには「給食で提供する料理を食べることができるか」という視点で考えます。
多くは「もう食べて大丈夫」と医師から言われた保護者が、保育園に相談に来ることが多いです。
そうではないときの判断基準です。
どのくらいの量を食べることができるか
アレルギー対応を解除しても大丈夫な量を食べているかが問題です。
食べる量が増えると、アレルギー症状が出てしまう可能性もあります。
例えば、卵を数gではなく1個以上食べることが出来るのか?などです。また、園と家庭での食事で卵料理が重複する可能性があります。家での朝食に卵焼き、昼の給食にオムレツなど・・・。給食の献立表を見忘れると、そういった事も起こります。
卵1個以下ならば症状がでなくても、それ以上の量だと症状がでるようであれば、まだ解除はしない方が無難です。
量を食べても大丈夫かが問題になります。
園で提供している調理方法で食べているか
食材に熱がどの程度入るかは調理方法によって変わります。アレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)は熱によって減らすことができます。
「食物負荷試験」というアレルギーの検査や、「経口免疫療法」という食べる練習は、卵であれば固ゆで卵を使用します。湯が沸騰してから20分、しっかり加熱し、アレルゲンを減少させた茹で卵を使います。
一方、普段の調理では、かき玉汁やカツ煮など、熱の入り方が少ない場合もあります。
熱いスープに卵を回し入れ、余熱で卵に火が入る程度だと、アレルゲンが非常に多く残っています。
そのため、固ゆで卵を食べる事ができる程度では、園や学校の給食はアレルギー対応が必要な状態です。給食での調理方法をお伝えし、それを食べても症状が出ない事を家庭で実際に食べてみて確認してもらう必要があります。
どのくらいの期間、食べているか?
量も調理法もクリアしても、まだ解除はできません。
アレルギー症状は、体調によって症状が出たり出なかったりします。
風邪を引いているとき、緊張しているとき、生活環境が変わるとき、女性であれば生理の時など、身体が『いつもの場所・状態でないとき』は注意が必要です。その為、一定期間、家庭で食べてもらい、大丈夫ということを確認してからアレルギー対応を解除にします。
解除に慎重なのは、子どもの健康を考えているから
アレルギー対応の解除をなかなかしてくれない、と不満を持つ方もいるかもしれません。
ですが、これは子どもの健康を守るためのことです。
もしも、アレルギー症状が出てしまった場合。一番辛いのは子どもです。痒かったり不安になったりするでしょう。思いもしない重体になる可能性だってあります。さらに仕事中の保護者に連絡をし、仕事に穴を開けたり心配させることになるかもしれません。
手間であっても、しっかり確認し、給食の対応が解除できるよう見守ることも大切だと思います。