保育園の防災や災害備蓄食品・おすすめアイテム
災害時の備蓄食品についてです
今回は、保育園の防災や災害備蓄食品・おすすめアイテムをご紹介します。
保育園・学校給食ではアレルギー対応が基本です。その点を踏まえたおすすめアイテムです。
災害時に必要な食品
何日分必要か
災害時の備蓄食品は3日分以上の準備が必要と言われてきました。
3日分というのは発災(災害発生)時に「緊急車両等が活動できるように72時間はその場で待機しましょう」と呼びかけられている事や、ライフラインの復旧がすぐには実施できない事などから言われていることです。
一方、近年では実際の災害・復旧実績を基に3日分では少し心許なく、3日分~1週間分程度が推奨されています。
保育園・学校では何日分必要か
今のところ、「保育園・学校では備蓄は何日分必要か」という施設に応じた明確な日数は政府省庁から特に発表されていません。
その為、現在推奨されている3日分以上を確保するというのが良いのでは、と私は思います。
保育園の多くでは、発災時はお子さんをお迎えに来てもらう事になっていると思います。保護者が被災場所から動けずに迎えに来れないのであれば、他のお迎え可能な方が、迎えに来る事が前提になっている園も多いのではないでしょうか。そのため、全人数分×3日分あれば、すぐにお迎えに来て貰えない子がいても、数日は持つのではないでしょうか。
逆にお迎えに来て貰えなくなりそうな保護者が多いのであれば、3日分ではなく4日分などもう少し余裕を持っても良いかもしれません。保護者の勤務地が遠い、緊急医療に携わっている、お迎え出来る人が1人しかいないなど、すぐ迎えに来れる人がいるか確認して決めても良いのかもしれません。
園によって立ち位置も異なると思います。公営の保育園、避難所になっている保育園は市区町村の各部署と相談が必要かもしれません。
ローリングストックなども合わせ、災害用備蓄品以外でも何が出来るか考えておく事も大切です。
「保育園 備蓄リスト」などで検索すると公開されている他園の備蓄リストを見ることもできます。参考にされてはいかがでしょうか。
防災備蓄の保管場所
津波・河川の氾濫・内水氾濫など、ハザードマップで水の災害が予想される地域では、浸水対策を見直す事も大切です。
1cmでも浸水すると、段ボールは想像以上に水を吸い上げてしまいます。
私の現場経験です。実際に浸水した時間に現場を見ていないのでわかりませんが、倉庫内が数cm浸水したようでした。4段程度に重ねたあった段ボールが倒れて水を吸ってしまっていました。一番下の段ボールが水を吸ってバランスを崩したのだろうと推測しています。
防災倉庫は1階と2階に分ける、倉庫内に棚を作って下段には何も置かないなど、多少の浸水では備蓄がぬれないよう対応しておくと良いと思います。
発災時のアレルギー対応
保育園、学校などでは特にアレルギー対策が必要です。
普通食材の他にアレルギー対応食材を準備し、災害対応マニュアルに記載することも一つです。一方で、災害発生時の混乱している時に通常と同じようなアレルギー対応ができるのかは疑問です。(もちろんマニュアル作成しておくことは大事です)
発災後には給食設備が使える状態かわかりません。
大人だって動揺しています。そんな中で、アレルギー対応をマニュアル通りにできるのでしょうか?
夕方や土曜日などの人手の薄いときに発災するかもしれません。その時に食事対応に詳しい栄養士や調理師、保育士がいるとは限りません。そして、その詳しいメンバーが被災して登園できないかもしれません。
非常時こそ「なかよし給食」のように、在園児のアレルゲンは避けた食品の方が無難です。
↓ 「なかよし給食」についてはこちら ↓
栄養価を守ることは確かに大切ですが、発災時に最重要なのは「安心・安全」です。
非常時には栄養価の事よりも、その時に対応する保育士・調理師の意見を聞いた方が良いと思います。1日目は簡易なメニュー、2・3日目に少しずつ栄養価を考えたメニュー対応するのも良いかもしれません。
アレルギー対応備蓄品のおすすめ
以下商品は保育園に限らずご家庭用でもおすすめです。
アレルギー対応食材は役所等にあるとは限りません。避難所ですぐに受け取れるとは限りませんので、食物アレルギーを持っている方はご家庭で備蓄することが大切です。
備蓄品はネットでは箱単位などで販売されることも多いです。一般家庭ではそんなに沢山あっても困りますよね。また園で購入するにしても、味もわからず大量購入するのはなかなか勇気が必要です。
普段使っているスーパーやホームセンターなどに備蓄品が販売していないか、気をつけて見るのがおすすめです。
28品目除去のアルファ米
アルファ米に関しては28品目除去の商品がメーカーさんのおかげで沢山あります。アレルゲン内容や各メーカーさんの価格等で比較すると良いと思います。
現在ではレンジアップできるものもあります。
お湯を注いで5分という短い時間でご飯になる商品が出てきました。通常商品より少し割高かもしれないですが、緊急用で考えたときには検討の余地があるのかなと思います。
食事用おすすめ汁物
顆粒の味噌汁です。
味噌を溶くにも器具が必要になりますので、お湯に振り入れるだけの方が簡単です。顆粒なので量の調節も容易です。味噌は大豆アレルギーの方でも、基本的には食べることができるので安心です。
ただ、乾燥わかめのサイズが大きいので、お子さんには注意が必要です。
おすすめカレー
特定アレルゲンは豚肉のみ使用されています。乳・小麦不使用なので、普通に利用するのもおすすめです。また、あたためなくても食べる事が出来るのも利点です。湯煎用のお湯を沸かさないですみます。
おやつ用おすすめアイテム
27品目除去で、おやつに使えます。
米粉で作っているため、噛んだときに崩れやすい事と、小分け袋で入っていないことが難点です。また、口の水分がもっていかれるので、飲料も準備が必要です。ですが発災時のストレスに甘いものは有用と言われていますので、あると嬉しいですね。
アマゾン等には出品が無かったのですが、こちらのクッキーは卵・乳・小麦が不使用です。一般的な米粉クッキーはパサパサ感あります。このクッキーは、パサパサ感を抑えるためかアーモンドと豆乳を使用しています。やさい味は甘すぎず食べやすかったです。
こちらも28品目アレルゲンのない安心なアイテムです。
ようかんという特性上、小さい子どもは食べにくいです。また、あんこが苦手なお子さんも多いですので、難しいところです。
上記の普通のえいようかんよりも柔らかめです。チョコえいようかんの方が食べやすいのではないかと思います。
野菜ジュース
野菜調理ができない時には強い味方です。約5年という長期保存が出来る商品もあります。
乳児用液体ミルク
発災がミルクの時間にかぶることもありえます。発災時にすぐ湯が沸かせる状態になるとは限りません。すぐ与えられるようにすることが重要です。
賞味期限が1年ですので、年度の途中で買い直す必要が想定されます。
アレルギー児用ミルクの液体販売はありませんので、その分だけすぐ準備できるようにしておくと良いと思います。
災害時に必要な備品
使い捨ての丼の方が紙皿よりも安定も良く、ご飯・汁物・カレーなど何でも使えます。100均などでも多く販売されていますので、備蓄しておきましょう。
紙皿は大人でも意外と持ちにくく、使いにくいです。子どもはさらに上手に持てません。紙皿はお菓子などをのせる程度と考えた方が良いです。
熱の感じ方もありますのでお子さんだけでなく、保育者・保護者も使ってみて、使いやすいか確認することも重要です。
また、フォークやスプーンなどの食具はプラスチック製だと噛んで割ってしまう事が考えられます。すると破片で怪我をしてしまう可能性があります。そのため、木製がおすすめです。一方で木製でも噛んで割る可能性が拭いきれません。
事前にお子さんと使ってみて、どちらが良いか検討してみてください。
アレルギー児用ビブスなど
アレルギー児であることを園内でわかりやすくすることも大事です。
アレルゲンを記載したカードをネックストラップで首からかける方法や、カードを肩に安全ピンなどで留める方法もあります。しかし、子どもはカードをひっぱってしまったり、どこかにひっかける可能性があります。
0歳児クラス児を抱っこする時も抱っこしにくく、抱っこひもなどにひっかかり危険です。
ビブスは費用がかかるという事で購入許可が出ず・・・ネックストラップを実際に試した事がありました。ですがパッと見でわかりにくいという事と、やはり危険を感じるという意見が保育士から挙がりました。こういった意見から結局ビブスを購入しました。NPOや他メーカーさんも販売していますし、オリジナルでビブス作成ができる業者さんもあるので検討してみると良いと思います。
乳児に関しては、サイズがないです。作成するのが難しい際には、安価な洋服をリメイクするなどの方法を採用しても良いかもしれません。
ビブスにはお名前やアレルゲン食材を記入するなど個人情報満載ですので、園から出るときには一度回収するなど注意しましょう。
災害時に何が出来るか
水が出ない、ガスや電気が使えない・・・となれば無理は禁物です。
食品衛生に詳しくない人は、「何かできるでしょう」と思いがちです(私も言われたことがあります)。ですが衛生的な作業が確保できなければ、無理な調理はせずに簡単な備蓄品を使うことをおすすめします。被災時に給食での食中毒は洒落になりません。
しっかりとした対策・対応ができるまでは無理は禁物です。その時に何が確保できて、どう対応できるか考えるためにも衛生知識を日頃から学び直す事が大切では無いかと思います。
地震の場合には余震などにも注意が必要
大きな地震があった時には、だいたい余震があります。
かまどを作って火の準備をしている時に余震が起きたら・・・。どんな対応が出来るか、その後どうするかは話して置いた方が良いでしょう。臨機応変に対応、と言う話になってしまうかもしれません。ですが、可能性の話をしておくと心構えが変わってきます。
余震を警戒したいけれど、子ども達はお腹がすき始めてしまう・・・例えば夕食の時間であっても、すぐできなのであれば、おやつをまず食べてもらうなどの対応も検討しておくと良いと思います。
まとめ
今回は、保育園の防災や災害備蓄食品・おすすめアイテムをご紹介しました。
保育園・学校給食ではアレルギー対応が基本です。
発災後に給食設備が使える状態かわかりません。それに大人だって動揺しています。そんな中で、アレルギー対応を、アニュアル通りにできるのでしょうか?このことは園でよく考えた方が良いことです。