結局、産業給食栄養士ってどうなの?というお話です。いい所、やりがいなどのメリットとデメリットをご紹介します。委託給食会社で勤務していた私の経験がベースです。
あくまで、個人の経験と感想の一例です!
産業給食栄養士で、何がしたいのか、何ができるのか
病院勤務希望の方は、臨床栄養学に興味があったり、「患者さんを少しでも早く元気にしてあげたい。」というような想いをお持ちの方が多いのではないでしょうか。(就職先がそこしかない・・・という方も、もちろんいらっしゃるとは思います。)
学校の勉強や、実習で「一次予防」を学ぶと思います。病気にならないように、「患者さん」になる前に健康のお手伝いをする事。この「一次予防」に魅力があると考える方もいらっしゃると思います。それが産業給食や健康食品等の世界を目指す志望動機になる事もあるのではと思います。
私の場合ですが・・・私は臨床栄養学が苦手です。実習も病院へは行きませんでした。そうすると、限られてくるわけですね(笑)
産業給食栄養士のメリット
産業給食栄養士のメリット①
産業給食、いわゆる社員食堂は、色々な経験ができます。
「給食」と言っても、お客様のニーズに応えることが多い現場です。町場の飲食店に近い事が多いです。ですので日々の業務では栄養管理をしたり食事相談をしたりという一般的な「栄養士」のイメージとは離れた現場です。ですが、飲食店でのアルバイト経験やサービス業が嫌いでなければ楽しめる現場だと思います。
産業給食栄養士のメリット②
メニューの豊富さです。
定食にも種類があったり、定食だけでなくアラカルトだったり。自分で献立を立てるには大変かもしれませんが、メニューが豊富です。色々なカテゴリで準備するので、そこから学び取れるものも大きいです。
産業給食栄養士のメリット③
一次予防に貢献できる事です。
食事を通して「疾患の発生を未然に防ぐ」という一次予防への貢献が期待できます。多くの方の健康維持増進に関わることができます。
産業給食栄養士のメリット④
栄養相談ができる。
日々の業務で栄養相談・・・という事はあまりありませんが、イベントとして健康相談を実施している会社もありますので、そこに参加することが可能です。
産業給食栄養士のメリット⑤
お客様の顔が直接見えます。
現場で接客をすることによって、お互いの顔が見えてきます。喜んでもらえた時は、嬉しいです。そこでちょっとした声掛けができる人なら、さらに踏み込んで話ができるのでは?と思います。
産業給食栄養士のメリット⑤
マネジメントを学べます。
栄養に関して以外にも、店舗運営で学ぶ事が多いです。学んで役に立たない知識ではないでしょう。これを活かして、お客様を上手くサポートすることも可能になるでしょう。
産業給食栄養士のメリット⑥
どこの現場、どこの職域でもそうだと思いますが、現場によってやる事が様々です。
そこから学び取れるもの、自分が好きかもしれない事をみつけたりできます。栄養士よりマネジメントの方が面白いかも・・・と道を選択していく人もいます。もちろんその中で、どれも合わないならば全く別の道を考えるきっかけになる事もあるかもしれません。
産業給食栄養士のメリット⑦
キャリアアップしていくことが出来ます。
栄養士の指導役のような立場にアップすることも、マネジメント責任者の立場にアップする事もできます。どちらも狭き門にはなってきますが、自分で選択して目指すことが可能です。
私がメリットだと思いついたのは上記7点でした。
個人的にはカフェ営業している店舗で、エスプレッソマシンを扱う事が出来たのが思った以上に楽しかったです。
どんな事でも経験値はしっかり増えていきます。また、自分で体験した事によって色々な事に興味を持ち始める事ができます。
産業給食のデメリット
イメージしていた栄養士”らしい”仕事が少ない
デメリットはなんといっても、一般的な「栄養士」というイメージの仕事があまりない事です。(現場によりますが)
健康メニューの提供や、栄養相談をできる現場や時間は非常に限られています。逆に言えば、全くないわけではありません。
メリットで「一次予防への貢献」と書きましたが、正直なところハードルは高いです。健康な人は「健康なのになぜ食べたい物を制限しないといけないのか」という気持ちをお持ちの方も多いです。
一方、健康に関心のある方は、すでにご自身で調べて実践しています。その情報が合っているかという問題もありますが、本人が信じている事を否定するのはまた別の問題となってしまいます。
現場から学び取り、どう考えていくかがカギ
上記のような状態をどう持っていくか・・・心理学や行動経済学、話術の領域を学んだ方がいいなのかなと感じました。また、それはこの現場や資格に限ったことではないだろうなというのが私の見解です。
こういったデメリットと感じる事を、文句を言っているだけでは変わりません。自分たちにはどんな力があるかを示して結果をださなければ改善は難しいです。社会というものは結果がないといけませんからね。
フリーランスの栄養士さんの講義を聞いた時事があるのですが、結果を出せなければ次の依頼が来ないというお話をされていました。
社会では「結果」が必要になってくる
栄養士が出せる「結果」とは何なのか。病院であれば管理加算のようなものがありますが、社食ではありません。病院では入院患者さんが元気になっていく実感があるかもしれません。
ですが、この分野では栄養は健康維持増進なので結果は見えにくく、売り上げにも直結しにくいです。学校では「営業」に関係した学びをすることはあまりないと思います。入社後も総合職とは業務が異なる為、なかなかハードルは高いなと感じます。
健康経営というワード
平成の終わりかけから「健康経営」というワードが世に出始めました。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
このワードが出始めて、風向きがほんの少しずつ変わってきたかと思っていたら、コロナでそれどころではなくなってきたイメージです。これが、平常に戻れば、活躍の機会が増えるのではないかと期待しています。
まとめ
結局、産業給食栄養士ってどうなの?という事を書いてきました。私の思うメリットとデメリットをご紹介してきましたが、あくまで私個人の感想です。
「これはイヤだなー」と思われることもあるかもしれません。メリット・デメリットのどちらにせよ、何かのお役に立てれば嬉しいです。
↓ 栄養士として働いてみての実際の所の本音です ↓
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