栄養士実習の受け入れ「私が気をつけたこと」

栄養士
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栄養士実習の受け入れで私が気をつけたこと

栄養士実習を初めて担当する事になった・・・という現場の栄養士さん向けに書いていきます。委託給食会社の立場でしかわかりませんし、過去の経験ですので現行の実習形態と異なる場合もあるかもしれません。その点はご了承ください。

りっか
りっか

あくまで私の感想と対策です。ご参考程度にどうぞ!

実習受け入れの流れ

まず実習を受け入れるかどうか

「実習をさせて欲しい」という依頼が来た時のお話です。実習終了の判を押せるのは管理栄養士です。ですが、栄養士さんも在籍していて学生さんに教える事もあると思います。よければ参考にしてください。

自分の会社が依頼をうけた

委託給食会社が依頼を受けた場合、担当部署から予定表などが送付される事が多いと思います。実習生受け入れの実績がある委託会社であれば、クライアントへのお手紙も送付してくれると思います。それをもって受け入れのお願いに行きます。

お客様から依頼をうけた

お客様の会社へ依頼が行く場合もあります。お客様から実習受け入れ可能か相談を受けたら、実施可能そうかどうかも含め、上司や本社に報告相談しましょう。お客様からの依頼の場合、お断りする事はあまりないかもしれませんね。

過去に受け入れ実績があった現場は比較的話が早いです。「ああ、あれね」くらいで了承いただけたりします。

初めて受け入れる現場では本社や上司から打診があり、クライアントに依頼の書面を渡したうえで、どのような事をさせるか説明が必要になってくると思います。口頭で済む事もあれば、さらに書面が必要になる可能性もあります。

また、自社社員の総合職や調理師が初めて実習生を迎える場合もあるので、どのような事をさせるのかの説明と、その内容で良いか確認(企業秘密に触れないかなど)が必要です。

受け入れでクライアントに心配されるのが、

・サービスの質が落ちないか

・カスタマーに迷惑がかからないか

・入館時のセキュリティーは大丈夫か  

等です。また、見た目の統一感を気にされる事もあるので、白衣持参でなく現場のユニフォームを貸し出す事もあります。そういった事も現場で相談します。

過去に実習受け入れで問題が生じていた場合、お断りされる可能性もあります。これはお客様の会社の別現場であった事が理由になる事もあります。お断りされたら、実習先の調整が必要になりますので、すぐに本社に連絡します。

現場に説明する

現場の調理師さんやパートさんにも、受け入れ期間や実習内容について説明し、協力をお願いします。営業時間中は栄養士も担当があるので、パートさんに任せる事も多くなりがちです。パートさんにはどんな事に気を付けて欲しいか、どんな事を教えてあげて欲しいかお話しておきます。私は以下のような事をお願いしていました。

自分が気を付けてやっている事

皆さんそれぞれが衛生や盛付などで気を付けている事があるので、それを教えて欲しいとお願いしていました。色んな人からの視点を聞くのは勉強になると思います。

怪我をさせないように

湯銭で料理を温めている場合などは熱くなったホテルパンや湯気で怪我をしがちです。現場では皆が火傷経験者なので(笑)、しっかり気をつけてくれました。

水分補給やトイレの誘導

緊張していると、喉の渇きやトイレに気が向かないものです。行けるタイミングを見て声掛けして欲しいとお願いしました。

気になる事・困った事は言って欲しいとお願いする

遠慮してしまい、気になっても言ってくれない人も出てきてしまう可能性があります。いつも以上に気を付けたいです。

上記内容と、大変になってしまうけれどご協力お願いします、という事を実習の始まる3・4週間前に一度話し、直前でもお話をするようにしていました。

事前説明会

学校の実習担当の先生だけ先にご挨拶に来て打ち合わせたり、先生と学生が一緒に来たりと学校によってパターンが様々です。先生とは事前にメールのやり取りなどもできる事が多いので、気になる点は確認しておきましょう。社内の栄養士に質問する事も大切です。

事前の説明会では、持ち物や入館方法、1日の流れなどを説明します。学校への提出書類について先生に確認する事も大事です。

腕章を用意してもらう

「実習生」という腕章を用意してもらい(学校が学生に貸し出す事が多いです)、いつもと違う人がいるんだとお客様に認識してもらいます。入り口やショーケースなどで控えめに「学生が実習させていただいています」等掲示するのも一つです。

包丁持参などは断る

現場で使用する包丁は色分けしている事がほとんどだと思いますので、必要ないと思います。殺菌庫に入れば良いですが、衛生的にも持ち込んだものでない方が安心です。

マスク・手袋の持参

持参するという学校もあります。どちらが良いかは現場で相談すると良いと思います。費用は多少かかるかもしれませんが手袋は現場のものを使用したほうが安心です。また、置き場を考えても効率的です。

無駄な荷物は持ってこないですむように

更衣室が狭かったり、ロッカーを用意してあげられない事もあるので、極力持ち込む荷物が少ないようにしてあげると良いと思います。

入館証などは渡さない

入館証を渡すのはトラブルの元になりかねません。2人以上の場合は揃ってから決まった時間にビル入口などから連絡してもらいます。連絡を貰ってから迎えに行って入館をしてもらいます。打ち合わせ後見送る際に、実習開始後の待ち合わせ場所を教えておきます。

水分補給・トイレについて

緊張すると、喉が渇いたり、トイレに行きたいと思いません。栄養士やパートさんから指示があったら、喉が渇いたと思わなくても行くように説明します。

学びたい事、気になる事があればここで事前に聞いておくと、資料を準備したり他店舗に話を聞いておくことができます。

子どもじゃないのに水分補給とトイレの注意なんて・・・と思う方もいるかもしれないですね。ですが緊張して喉の渇きがわからず、水分補給しないで脱水症状になった事例もあります。「喉乾いていないと思っていたのに、ペットボトル半分以上一気に飲んじゃいました!」という学生さんはよくいます。

りっか
りっか

実習受け入れは学校が長期休みの時期が多く、夏の暑い中での受け入れが多かったです。水分補給は特に注意してあげたいところです。

可能であれば、学校の先生に挨拶してもらう

学校の先生が現場に来てくれている時間とクライアントの時間が合えば、ご挨拶をしていただいた事もありました。先生にお願いしたところ、快く、むしろご挨拶させてください!と言われました。

現場の栄養士や責任者が説明をしただけより、先生方から実習を受け入れてくれた感謝を伝えてもらった方が「実習受け入れで教育に貢献できているんだ」という気持ちをもっていただけたります。また、実習時も気にかけて下さったりしました。

実習に関しては先生は同志ですので、可能な部分は協力してもらいましょう。ただし、一番大事なのはクライアントのスケジュールです。無理な挨拶はしないようにしましょう。

りっか
りっか

実習中にクライアントが来た時には学生さんにも挨拶をしてもらいます。

「実習させていただいてありがとうございます」って話してねと伝えました。

実際の受け入れ

朝、連絡があったら入口に迎えに行きます。迎えに行く時間があるので実習中はどうしても出勤が早くなります・・・。

着替える場所やロッカー、トイレの説明などをして、厨房に案内します。履物や手洗いの説明(実際に見せてあげます)をします。「出勤している人にはさらっと紹介はするけどすぐ作業するので、朝礼でご挨拶してね」と声掛けをしておきます。

意外と注意が必要なのは、ゴミ分別やゴミ箱です。ゴミ分別は地域や現場によって違うので、初めて捨てるものは念のため周りの人に聞くようにお話しておきます。(ラップが可燃だったり不燃だったり・・・)

それから、その時出勤しているメンバーに紹介をして、作業に入ってもらいます。パートさんが来たらまた紹介をして、作業を続けてもらったり、パートさんに説明を託します。

朝礼時にはきちんと紹介をして学生さんにもご挨拶をしてもらいます。

その後は店舗の動きに合わせ、営業に参加してもらいます。休憩でご飯を食べてから片付けをして、大体15時頃から栄養士の仕事の説明をして終了時刻までノートを書いてもらう流れにしていました。

栄養士の仕事の説明では以下のような事を月~木に分けてしていました。実習期間が1週間という事が多かったので金曜日はノートのまとめ日とし、説明時間は無しにしていました。質問は何かないか毎日確認していました。

・店舗での仕事について

・衛生について

・社内の栄養士でやっている事

・イベントなどについて

・栄養報告書などについて

その他、実習の目的に合わせた話ができるようであれば、話します。

翌日朝にノートをデスクに置いてもらい、様子を見てノートを確認しました。午後の片付け作業は学生がいる分手が空くので、自分は作業を抜けてノートの確認やコメント記載をする事が多かったです。

コメントに関しては、学校側が「お忙しいと思うのでサインや判だけでも大丈夫です」と言ってくれた事がありましたが、可能であれば書いていました。また、時間が本当にない場合には、栄養士が口頭で回答したことを学生自身に書いてもらうなどする方法もあります。

私が学生の時の実習は「校内実習」と「校外実習」の名前しかなく・・・。卒業直後にカリキュラムが変わったので「臨地実習」とは何ぞや・・・とか、その教科名知らないですね・・・という事がありました。

現場での情報共有

一緒に働いているパートさんや調理師さんに経過報告する事も大事です。実習生から聞いた話やノートから、「教えてくれてありがとう」「○○が勉強になったって言ってたよ」など声掛けもしていきます。そうすると喜んで、さらに違う事も教えようとしてくれます。

学生さんにも「元気でいいね場が明るくなるねと言っていたよ」など自分が感じた事やパートさんが話していた事を伝えるとパフォーマンスが上がるので、実習で見て行って欲しい所に気がついてくれるようになります。

学生さん皆が皆そうではないですけどね(笑)。

りっか
りっか

相乗効果があるって良いですよね。

学校への提出書類

出勤簿などがあれば毎日忘れないように判を押してもらいます。最終的には学生さんと、学生自身が学校に持っていくのか、こちらから郵送するのか一緒に確認していました。間違いがあるといけないですからね!

実習責任者は管理栄養士なので、店舗責任者が間違えて判を押さないように気を付ける事も大切です。

現場・クライアントへのお礼

実習が終わった次の日(大概は翌週ですね)には、現場の皆に協力してくれた感謝を伝えます。また、学校への書類作成の為に情報をもらいます。

クライアントへも実習終了と受け入れのお礼を伝えます。時間帯にもよりますので、実習終了日にまずはメールを入れるといいかなと思います。すぐうかがえる状況で、問題ない時間でしたら直接行くのも良いと思います。

栄養士実習の受け入れをしたい!

後進の指導に関わりたいという現場の管理栄養士さんは、まずは出身校にご連絡してみてはどうでしょうか?喜ばれると思います。実習受け入れ施設として必要な事項などを教えてもらい、施設責任者(自分が責任者だったら簡単ですが・・・)に許可をいただくと良いと思います。

まとめ

今回は栄養士実習を初めて担当する事になった・・・という現場の栄養士さん向けに書いてきました。委託給食会社の立場でしかわかりませんし、過去の経験ですので現行の実習形態と異なる場合もあるかもしれません。その点はご了承ください。



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