食物アレルギーだと栄養士になれないのか?

栄養士
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食物アレルギーだと栄養士になれないのか?

食物アレルギーだと栄養士になれないのか?栄養士として働けないのか?

そんな疑問を見かけたので、私の経験などから回答してみたいと思います。

食物アレルギーでも栄養士になれる

私は蕎麦アレルギーです。

でも、栄養士資格も管理栄養士資格も持っていますし、栄養士として働いてきました。なので、この点から言えば食物アレルギーがあっても栄養士になれるし働けるというのが答えの一つです。

そうは言っても、色んな不安があると思います。私も学生時代「もしかして食物アレルギーがあったら栄養士として働けないのではないか?」と思い、心配になったことがあります。

私のアレルゲンは蕎麦ですが、食物アレルギーは人によって色々ありますしね。

「アレルギーの人ならアレルギーをわかってくれるから安心」

「アレルギー持ちの人ならアレルギーのことをわかってくれるから安心」

これは、産業給食勤務時と、保育園勤務時に言われたことです。

アレルギーというものに対する理解は年々深まってきています。言葉としても普通に聞くようになってきました。ですが、全く理解してくれない人もいます。大変さがわからない人もいます。

そんな中で「当事者ならわかってくれる」「当事者なら安心」そういった思いを持ってくれる人もいます。自分がアレルギー持ちだからこそ、安心してくれるということは、目からウロコでした。

栄養士自身がアレルギーを持っている場合に考えないといけない事は?

栄養士自身がアレルギーを持っている場合に考えないといけない事はなんでしょうか。

まずは自分の健康、次に業務に支障がないか考える事だと思います。

どんな時に、どんな危険があるか確認していきます。

栄養士の養成学校の授業

栄養士になるには、栄養士養成校を卒業しないといけません。その際にどんな授業があるかです。

学内の調理実習

学校の授業には、小学校や中学校でもあったような調理室での調理実習、給食施設設備を使った大量調理実習があります。学校のカリキュラムによっては、他にも食材を使用した授業があるかもしれません。

学校がどこまでアレルギーに配慮してくれるか確認する必要があります。

校外実習

実習は学校内だけでなく、学校外での実習も実施されます。

学校やコースによって1週間~4週間程度、1回~3回、現場に実習に行く必要があります。学校によって実習先が異なりますので、実習先がどう回答してくるかで変わってきてしまいます。

栄養士が職場で行う業務で心配なこと

まずは、どんな業務がアレルゲンと接触する可能性があるかです。これは栄養士養成校の実習でも同様です。

検品・調理作業

調理過程ではもちろん食品を取り扱います。基本的にはエンボス手袋を着用することが多いですが、手袋をしない場合もあります。

また、調理工程では湯気も出ます。私は幼い頃、そば屋の前を通るのが苦手でした。蕎麦の匂い・湯気がダメだったんです。その為、どうしても店前を通らないといけない時は息を止めて駆け足で通り抜けました。駅のホームや階段付近によくあったんですよね、立ち食いそば屋。

このように、喫食する事や手で触れる意外にも、アレルゲンが室内に舞うなどの危険がある事は承知しておくべきだと思います。

味見・検食

調理をする以上は味見や、提供して大丈夫かという検食などをする必要があります。

他に調理責任者・施設責任者などがいればチェックして貰えますが、栄養士が判断をしないといけない場合もあります。

器具・食器の洗浄

調理に使用した器具、喫食後の食器を洗浄することもあります。

器具・食器、シンクにはアレルゲンがついています。これは手袋などで防御する必要があります。

また、施設の規模によって異なりますが、一般家庭レベルでない洗浄量です。その為、アレルゲンに触れる可能性が高まることは予想されます。

規模の小さな現場は厳しいかもしれない

規模の小さな現場は1人で色々な業務をしないといけません。上記全てに関わる可能性もあります。その為「アレルギーがあります」と話しておいても、残念ながら理解を得られない可能性があります。

規模の大きな現場は、それぞれの場所に担当者が多いので「これができない」と言ってもフォローがあると思います。

自分自身のアレルギーの種類・症状の重さの確認

アレルゲンが何か、アレルギー症状の重さによっても対応は変わってきます。その為、どんなアレルギー症状が出るか自分で把握して、質問されたら答えられる事は必須です。

アレルギーだから最近は食べていないためにわからない、という場合には、一番近い記憶で良いのではないかと思います。

アレルギー・アレルゲンの種類はなにか考える

例えば「卵・乳・小麦・肉類・魚類」こういった食品がアレルゲンで、重複している場合。

これは、飲食の現場で高確率で使用する食材です。調理現場での勤務はご自身の身体に危険があるので止めた方が良いと思います。自分の身体を危険にさらす必要はありません。また、何かあった際に現場にも迷惑をかける可能性があります。

アレルギーの人用の食事をアレルゲンのない環境で調理する・・・などちょっと特殊な環境であれば問題ないと思います。

アレルギーの症状は、どの程度か

同じ食物アレルギーといっても「少し赤味が出る」「少し痒くなる」「じんましんが酷い」「呼吸器症状がある」「アナフィラキシーがおこる」などアレルギーの症状は人それぞれです。重い症状が出る場合には、アレルゲンに近づく職業は避けるべきだと思います。

アレルギー検査ですべてがわかるわけではない

子どもであれば、保護者や医師のもとで検査などをすると思います。しかし、成長するにつれて給食がなくなり、調べる必要がなくなります。成長に伴ってアレルギーが良くなることもよくあります。その為、大人は新たに検査をした方が良い場合もあるかもしれません。

一方で、血液検査だけでアレルギー症状がどの程度出るかはわかりません。

血液検査結果でアレルギーの数値が高くても症状が出なかったり、数値は出ないのにアレルギー症状が出るというのはよくある事です。

さらに普段は食べてもアレルギー症状が出ないのに、体調が悪いと症状が出る事もあります。新しい環境なども気をつける必要があります。女性の場合は、生理周期にも影響を受けます。自分の体調が整っているかいないかは、自分でしっかり把握できないといけません。

栄養士の仕事は給食調理以外にも沢山ある

栄養士の仕事は給食調理だけではありません。調理現場で無く、研究職や別の職業の方が安全ナノでは内科と思います。

自分がアレルギーである事を活かして、アレルギーについて研究、アレルギー対応食をつくるなどに目を向けていただくのも大切だと思います。

給食会社であっても、本社勤務でメニュー作成などもあります。

教員や親・友人の言うことだけを鵜呑みにしないで欲しい

栄養士として働けるか?という就職に関してです。

自分で大丈夫だろうか?と思いついて不安になっているのならば、考えを変えて貰えれば大丈夫です。しかしそれが、先生や友人から言われてことであれば、不安は続くかも知れません。

学校の先生、特にずっと教職にしか就いていない方は現場の事をよくわかっていないというのが私の認識です。学校の先生は、学校のメンツもあるのか、踏み込まないイメージがあります。(あくまで私の偏っているかもしれない認識です)

また、現場経験のある先生もたまにいますが、先生一人が何十社も経験しているわけではありません。先生方が言っている事は正しいことも多いですが、実際にはどうだろう?と思う事もあります。

親やご友人も、アルバイト先・就業先で経験などあるかもしれないですが、これも少数派なんです。

病院、学校、給食会社・・・どれだけの現場があるでしょうか。

自分の興味のある会社に「○○アレルギーがあるが、就職できるか?」ということを質問するのが正解だと思います。

自分で伝えていくこと

面接や入社時にアレルギー持ちだと話していても、現場にしっかり伝わっているかはわかりません。

所属現場に始めて言った時には自分でしっかり伝えることは忘れないで欲しいです。上司はもちろん、パートさんなどにも挨拶とともに、しっかり伝える必要があります。

私の場合は蕎麦なので「アレルギーなので蕎麦コーナーは手伝えない。申し訳ない。」という旨を必ず話していました。

食物アレルギーになったのは、自分のせいでも親のせいでもありません。なので、謝る必要はないかもしれません。しかし手伝えないことに関しては伝えておく方が良いのは確かだと思います。 

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