栄養士と管理栄養士の違い
資格のとりかたの違い
栄養士は、栄養士養成施設(専門学校・短大・大学)を卒業すると取得できる国家資格です。言い方を変えると卒業しただけで取得できます。
管理栄養士は、栄養士を取得した上で、管理栄養士国家試験に合格・申請すると取得できる国家資格です。
資格取得で有名なユーキャンをはじめとした通信教育・通信講座などでは取得できません。
業務の違い
本来は、業務に明確な線引きはありません。
医師や看護師のように業務独占(その資格を持っていないと医療行為などの業務ができない)ではないからです。
一般的には、栄養士は健康な人、管理栄養士は疾病患者などの特別な対応が必要な人の対応をすると言われています。
業務の違いの理由
管理栄養士国家試験に合格するには、より詳しく細かな知識が必要になります。管理栄養士はこれに合格していることから、より高度な栄養管理の実施が可能だと認知されています。
また法律等によって管理栄養士が必ずいないといけない現場が規定があったり、管理栄養士がいないと申請できない医療・介護の加算などがあります。そのため、医療分野では特に管理栄養士が求められます。
社員食堂などでも、利用人数が一定数以上ときには「管理栄養士を置くよう務めなければならない」という決まりがあります。このため、委託給食会社でも管理栄養士資格を重視する事があります。
給与の違い
管理栄養士の方が、栄養士より元々の給与が高い場合や資格手当がつくことがあります。
上記したように、管理栄養士は施設側にいなければならない人材だったり、いた方がメリットがある人材だからです。
私や友人の職場経験話
あくまで一例です。全部の職場がこうだとは限らないということをご承知おきください。
私が卒業したのは、2年制の学校で、当時は実務を2年しないと管理栄養士国家試験に受験できる資格がありませんでした。
私の経験話 委託給食会社勤務
私は委託給食会社で勤務していました。
委託給食でも、利用者の多い社員食堂では管理栄養士資格が必要になってくるため、管理試験受験・合格は会社からも希望されていることでした。
管理栄養士の資格が取れずに栄養士で勤務する事は難しそうな雰囲気でした。管理栄養士が取れない場合には店長職などマネージメントに進む場合が多かったです。
資格保有者を置かないといかない現場で、管理栄養士が育休・退職するとなれば、玉突き人事が発生するわけです。コンペなどでも管理栄養士をおきますよという提案をすることで他社との比較をしてもらうような事もありました。
友人の経験話 病院勤務
病院に就職した友人の話の一例です。
管理栄養士でないと栄養指導室に入れて貰えなかったそうです。管理栄養士を取得するまでは、ずっと厨房で調理業務に当たっていました。悔しさを覚えた友人は、その悔しさをバネに勉強を頑張って試験に合格しました。
もちろん調理業務からも学ぶコトは多いですが・・・。
できれば管理栄養士まで取った方がいい
明確な理由がない限りは頑張って管理栄養士資格まで取得した方がよいと個人的には思っています。
栄養士資格だけより、優遇される可能性があるからです。
1方、国家試験受験はそれなりに大変です。1年に1回の国家試験を受けるために、仕事をしながら勉強するのもなかなかしんどいです。
国家試験をうけるために実務期間が必要
管理栄養士国家試験をうけるためには、職場での実務期間が必要な場合があります。
その場合は試験出願時に、「○○という食堂で実務していました」といった旨の実務証明書を提出する必要があります。これは自分で書くのではなく、会社や病院など勤務先に書いてもらう必要があります。受験資格を得るために実務が3年必要な場合は、3年分必要です。異動した場合には各現場の書類が必要です。
このため、途中で退職すると、退職した会社にも書類作成の依頼をしないといけなくなります。
学校選びが大切
国家試験を受けるための実務期間は、学校によって異なります。
短大や専門学校で2年しか学んでいない場合、卒業後に3年間実務をしないと試験を受けることが出来ません。学校で3年学んだ場合は、実務が2年必要です。また、4年制大学でも専攻によっては卒業後1年の実務が必要です。
まだ養成校選びで悩んでいる方は、4年生大学で、実務期間がなくても国家試験を受験できる養成校・専攻をオススメします。