ペットボトルの「直飲み」に要注意!
夏になると特にお世話になるペットボトル飲料。水分補給に重要なアイテムです。
ペットボトルは直接口をつけて飲む「直飲み」をしますよね。一部の水筒でも同様です。
でも実は、「直飲み」にはいくつか問題点があります。
主な問題点を以下に挙げます。
1. 衛生面での問題(細菌の繁殖)

これが最も大きな問題点です。
- 唾液による細菌の混入: 口をつけた瞬間に、口の中にいる細菌がペットボトルの中に入り込みます。人間の口の中には多くの細菌が常在しています。
- 温度と時間による増殖:
- 常温放置: 特に夏場など、暖かい場所に放置すると、入った細菌が急速に増殖します。糖分やタンパク質を含む飲料(ミルクコーヒーなどミルクの入っているもの、ジュース、スポーツ飲料など)は、細菌にとって栄養源となり、水やお茶よりもさらに増殖が活発になります。
- 短時間でも増殖: たとえ数時間でも、細菌は増えていきます。研究によっては、4時間後から細菌数が一気に上昇することが示されています。
- 種類による差: 麦茶も細菌が増えやすいとされています。水も全く増えないわけではありません。
- 食中毒のリスク: 大量に増殖した細菌を摂取することで、嘔吐、下痢、腹痛などの食中毒症状を引き起こす可能性があります。特に免疫力の低い乳幼児や高齢者、体調の悪い人は注意が必要です。
2. 品質劣化
- 風味や香りの変化: 細菌の繁殖によって、飲料の風味や香りが変化し、本来の味が損なわれることがあります。
- 変質・腐敗: 雑菌の活動により、飲料が白濁したり、泡が出たり、酸っぱくなったりと、見た目や状態も変化することがあります。場合によっては、発酵が進んでガスが発生し、キャップが飛んだり容器が破裂したりする事故につながる可能性も指摘されています。
3. プラスチックの溶出(再利用時など)
- ペットボトルは一度きりの使用を前提に作られています。繰り返し使用したり、高温の飲み物を入れたりすると、プラスチック成分が溶け出す可能性があります。
- 溶け出す量自体は、通常の飲料を飲む分には健康に影響を及ぼすほどではないとされていますが、長期的な影響については不明な点もあり、乳幼児や妊婦などはより慎重な判断が求められます。
対策
これらの問題点を踏まえると、ペットボトル飲料を飲む際は以下の点に注意することが推奨されます。
- できるだけコップに注いで飲む: 特に自宅にいる場合や、コップが利用できる場所では、コップに注いで飲むのが最も衛生的です。
- 一度口をつけたら早く飲み切る: 特に常温保存の場合は、その日のうちに、できれば数時間以内(目安は8時間以内)に飲み切るようにしましょう。
- 飲み残しは冷蔵庫で保管する: 飲み残した場合は、すぐに冷蔵庫に入れ、冷たい状態を保つことで細菌の増殖を抑えられます。ただし、冷蔵庫に入れても細菌は完全に増殖しないわけではないため、早めに飲み切ることが重要です。
- 小さいサイズのペットボトルを選ぶ: 一度に飲み切れる量の小さいサイズのペットボトルや紙パックを選ぶことで、飲み残しを減らすことができます。

- ペットボトルの使い回しは避ける: 洗浄しても完全に滅菌することは難しく、傷などが細菌の温床になる可能性があるため、基本的に再利用は推奨されません。
まとめ
夏になると、小さなお子さんにペットボトルを渡して飲ませている場面を見かけることがあります。
小さなお子さんはまだ免疫力や抵抗力も低い状態なので、子供用の紙パック飲料などで飲みきれるようにしてあげた方が良いでしょう。
水筒は保温効果が期待できるものが多く、ペットボトルほどではありませんが、直接口をつけて飲むタイプには注意が必要です。
手軽で便利なペットボトル飲料ですが、衛生面には十分に気を付けて利用しましょう。